秋植球根の掘り上げと貯蔵──北側の軒下が貯蔵に最適

春先をかざる秋植球根はもうほとんどが茎葉は枯れています。一番早く枯れるのはクロッカスで、ついでチューリップやヒアシンス、スイセンが一番おくれます。枯れた茎葉はすぐ腐って球のある所がわからなくなります。まだ掘りあげてない方は至急掘取って、陰干ししてから、土を払い落として、日のあたらぬ涼しい所においてください。家の北側の軒下が一番よい貯蔵場所です。
掘りあげる最もよい時期は、葉が黄ばみかけた時で、その頃は掘り残しがなく、子球も落とすことなく便利です。掘った直後に古い皮や根を除きたいものですが、一応陰干ししてからに調整します。掘った直後だと新しい球根の皮や根の出る所を傷めやすいからです。
秋植球根植物の代表は前述の4種ですが、9、10月に咲くコルチカムとかキバナタマスダレもこの月の初めまでに掘ります。春先に最も早く咲くスノードロップやシラー、ムスカリ、球根アイリス他秋植で春をかざる球根類が一般種苗商でも入手しやすくなりました。今から心掛けて、求めそびれぬようにしましょう。
なお、大部分のユリの球根は秋掘って春に売られて植えますが、秋に地上部が枯れたらすぐ掘って植えかえるのが一番よいです。球の下にある太い根は切らずに植えます。
春頃球根を掘った後へ春播きの草花苗を育苗しておいたものを移植します。
   (辰野朝日新聞・昭和56年6月27日掲載)

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