バラの手入れ──大きな葉の上から枝切り

バラ気違いにとって当地は大変ありがたい気候である。空気が乾いているために最も恐ろしい黒星病は茂り過ぎに注意をすれば余りおそろしくない。夏の暑さが短いのであまり夏負け落葉せず秋バラまで引き続き開花する。
ただ今のバラは四季咲き性のものが多い。四季咲き性のものは、花が終わったらその枝の半分を切り取る。大きな葉の上から切り取ると次の枝が元気よくのびて良い花が咲く。この時小さい葉の上で切るとその脇芽は小さく蕾をつけず、木全体として小枝が茂って発病の原因になったり開花することができない。
ツルバラは開花の終わるころから強い発育枝がのびてくる。この枝が長くのびるほど翌年の開花は見事であるからかきとったり摘芯はしない。ツルバラは長い発育枝を2年間咲かせて切り取り、新しい発育枝に切りかえる。昨年の発育枝に今春咲いた小枝は花が散った後で、花房のみを切り去る。
近年はフロリバンダという房咲の系統が多くなった。これも四季咲き性のものは開花後の枝を半分切り取る。
ツルバラ以外のバラで、強い発育枝がのびて、先に沢山蕾をつけることが多い。この元気のよい発育枝の蕾は良い花に咲けなかったり、茎の芯が太く冬の枯れこみができるので蕾が出ないうちに軟らかい芽の先をつみとる。摘芯した後からできる枝は秋バラを良く咲かせてくれる。
   (辰野朝日新聞・昭和56年7月4日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集