花壇の手入れ──深植えは発育不良の原因に

美しい花壇になることを期待して植えた苗が素直に育ってこない時がある。その原因はたくさんある。
一番多い発育不良の原因は深植えである。生えた時の地表と双葉の間隔を基準にして植えればよい。茎から発根しやすいマリーゴールドでも深植えは発育が悪い。双葉と地表の間の軸の3分の1位は深植えしてもよいが、トマト、ナス、サルビア、マツバボタン等も特に深植えは悪く、青枯病や萎凋病にかかりやすくなる。花苗が深植えで生育不良のものは今のうちに浅植えに植えかえれば、すぐに元気を回復してくる。
次に地表の土が小粒であったり軽いと土粒が雨の時にはねあがって、双葉や茎の下部に付着して、いわゆる土袴をつくる。サルビアもエゾギク等もそのため時には枯死してしまう。土がはねあがる所では切り葉や籾殻等をまいてやる。乾燥防止を兼ねてポリ布やダンボールを敷いてやるのも一法。土の固まるような強い灌水や過度の多肥で根が発育しない場合には中耕したり追肥をやめる。
ヒョロ長くなった百日草や高性マリーゴールドの苗は、できるだけ倒して斜め植えをする。ヘチマやアサガオは本蔓は数葉で摘芯すると枝がよくのびたり、開花も早い。ケイトウやハゲイトウは高温になり活着がよくなる。
上手に植えたサルビアや矮性マリーゴールドは秋には株張りが1メートル以上になる。ようやく本当の夏になった。
   (辰野朝日新聞・昭和56年7月11日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集