庭木や果樹の夏の手入れ──強大な徒長枝は切る

暑い夏になりました。暑さにめげずかん水や除草をするばかりでなく、今年の後半と明年の花や実の基礎作りの時です。
いったん生長のとまった庭木や果樹類の新梢の先が元気よくのびているのが目にとまります。このような枝のうち基部が幹や枝の上側から出ているものは基部からきれいに切りとります。このような枝はこれからもますます強大になって、今後永年基部より下の枝や幹が太くなり年々文字通りの徒長枝を出し、下や横の方やそこより先の充実を悪くしたり日陰による花芽作りの支障となります。これからのばす予定の枝がのびていてもその先は摘んではいけません。元気がよければまた新芽がのびてアブラムシの巣にもなります。
ツツジの刈り込みをまだしてない場合には長くのびすぎた1〜3年性の枝を下方から切りとっておきます。いま全部先刈りをすると明年の蕾ができないばかりでなく刈った後から出た芽は冬凍害にあいます。先刈りは8月下旬以後にします。
ユキヤナギ、コデマリ、ユスラウメ(当地ではニワウメと誤称している)等も混みすぎているか、あるいは邪魔になる枝を切りとるだけで刈りこんではいけません。バラは余り乾燥すると秋バラがよく咲かないので敷ワラや灌水をして地表の高温化を防ぎます。
ナス、キュウリは早めにとったり、花壇の茂りすぎた所は株を間引いたり、枝の一部を切りとる等結構忙しい夏仕事がたくさんです。
   (辰野朝日新聞・昭和56年8月1日掲載)

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