秋野菜の種子まき──2度3度と追い播きを

今年は涼しく時々雨が降るので、秋野菜の播付には苦労しないでしょうが、念のために書いておきます。この辺の夏は乾いて暑いので失敗しないように皆早播早播と心掛けます。乾く年に早くまくと稚苗は大根白菜ともに、暑すぎ乾きすぎると害虫のためにやられることが多く、2度3度と追い播きをくりかえします。その労力は大変な事で近年は種子代も馬鹿にならぬ金額になり、又できた大根白菜も不揃いで困ります。余り早くまかない様に、上野や北大出の上の方を除いて盆すぎから月末が適当です。
次の失敗の原因は覆土の問題です。一般的に種子の2倍余の土をかけよと言いますが、それでは土が乾いて高温で種子がやけて枯れます。そして大根が長くなる様にとて高畔にします。これで又種子は乾いて生えてきません。少し位灌水しても種子や双葉は湿ったり乾いたりで生えなかったり、生えても良く育ちません。どうしたらよいか。
大根の種子は深さ10センチ位覆土しても完全な種子は乾燥する夏でも生えてきます。畑を平らにしておいて、数粒ずつ株播きして、思い切って5センチ以上覆土します。そうすると干害の多い年でも北側の苗は完全に生き残ります。一般の大根は月内にまきます。白菜もそれに準じます。白菜はポット播きして9月上旬に定植します。いずれも葉が15センチ位までの間は隣の株に葉がかからぬように早めに間引きすることが必要です。
   (辰野朝日新聞・昭和56年8月15日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集