春をかざる秋植え球根を求める時期である。種苗商へのカタログによる注文や売店で求めるには早いほど良い。遅くなるほど品切れができたり小さかったり、傷物しかない事もある。求める時に一番注意したいのはそれぞれの種類とも特有の皮をかぶっている。この表皮に傷がないものを選ぶ。また求めてからも皮をむかないで傷つけぬ様に冷暗所に静置する。種類別のおよその注意点は
【チューリップ】 濃褐色の厚皮のものを選ぶ。大きくても淡い色でペラペラの皮でそれが破れている球は無理して大きくした早掘り球である。こんなのより小さくても栗色の堅い皮のを選ぶ。大きい球は2本以上咲くこともあるが、花の大きさとは関係ない。花の大きさは早く深植えにして冬中土が湿っていて根がよく張れば小球でも大きな花が咲く。
【ヒアシンス】 球の底の根の出る所の大きい方がよい。底の小さな大球は花穂の花数が少なくみごとな房咲きにはならない。特に水栽培用には底の大きな大球が必要。
【クロッカス】 光沢のある十分に皮をつけた球であること。早掘り球は光がない。
【スイセン類】 子球を無理にかきとったきずのないものがよい。表皮の色は種類によって違い、黒褐色か黄褐色で中には淡黄色の品種もある。表皮の濃淡では品質の判定は困難。
その他小型球根の中には乾いた表皮のない表面が肉質のシラーの様な球根もある。傷や表面の変色のないものがよい。
(辰野朝日新聞・昭和56年8月22日掲載)
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