春をかざる秋植え球根の植え付け期に入る。普通春咲く球根類は9月末には発根してくる。従って早く植えるほど明年の開花が美しい。チューリップの花の大きさは根がどれだけ早くから広く深くのびるかできまってくる。秋植え球根はユリを除きほとんど1本根なので根先が切れたり枯れるとその根はのびないし、新根もある時以後はでてこない。早く地植えできぬ場合は小さい鉢(はち)やポットでよいから遅くも10月上旬までに植えつけておくように。
植えつけの深さは15センチメートル以上の深さがよい。チューリップやスイセンは浅いと特に分球しやすく、小球のみで3年後には咲かなくなることがある。深植えしておくと萎縮病にかかりにくく、排水の良い所では数年掘らないでおく。夏はその上に浅根性の草花を植える。絞りのチューリップは萎縮病の伝染がはげしいから土毎焼却が必要。百合類を除き球根の下まで耕して施肥する。秋の彼岸に植えたチューリップの根は1立方メートル程の土中に根を張る。
ユリ類は球根の下側の太い根で好きな深さにもぐってゆくが、良い植え付け法は今まで耕した土は掘りあげて深さ15センチメートル以上に球をおき、球の見えなくなるまで赤土をかけ、その上に肥料を混ぜた土をかける。球根の下や周囲には施肥しない。春の植えつけも同じ。掘りあげた時の球根の下の太根は枯れたものだけ取り除く。ユリ類は球根の上の茎からでた細根で肥料を吸う。
(辰野朝日新聞・昭和56年9月26掲載)
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