越冬設備[1]──初冬から寒さに慣らす

寒さに弱い植物はガラス室・ビニールハウスや屋内のサンルーム等に入れて越冬する。暖かい地方で普及して来た小型温室は当地のような厳寒の日や時のある所では最低温度の時には不適当であり、好天時には高温になりすぎる。加温装置も小型で性能のよいものはない。電熱式は電気代が高く、加湿装置も必要になる。石油ストーブでの直接加温は小型室では不完全燃焼になり危険です。
観葉植物や洋蘭とかウツボカヅラ等は最低温度が10度以上必要なものがありますが、多くの植物は、初冬から寒さに慣らしてゆけば5度の最低温度を確保すれば凡その暖地性の植物は冬越しできます。葉の落ちるものやサツキ等は少々凍ってもよいので高温室に入れるとかえって不成績になります。冬はどうしても乾燥しすぎのことが多いので、当地の戸外の冬越し施設は南の軒先等に半地下式のフレームの様なものがほしくなります。ビニールや断熱材料の発達と建物の不燃化やブロック塀等で昼間の熱が貯えられたり、風を遮るので、最近は冬越しの設備が素人仕事で簡単にできます。小型の地上式のビニール温室は二重張りしても凍ったり、昼間は閉め切っておくと高温になりすぎたりで、管理が大変です。高温好きのものはシャコバシャボテンを除き灌水を次第に減らします。
   (辰野朝日新聞・昭和56年10月17日掲載)

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