庭木の整枝[4]──枝垂れ木の整枝とキウイ

枝垂れ樹は庭木としてもよく、特に枝垂栗は日本の枝垂栗分布の中心で、全国の観光客を吸い寄せるにはもっと増殖したり手入れが必要である。
枝垂れ性の強い枝垂れ木は新しい強い枝がのびてもすぐ横から下へのびてしまい、高い木にはならない。小野には高さ1メートルくらいの少しも高くならない庭木がある。この様な木は高い見事な枝ぶりにはならない。荒神山の食堂の手前の木は適当な枝垂れ性のある大木になりやすい木である。この両方共に強い枝を上3分の2を切りとった後、元の方向の90〜120度横にまわす様にして引きあげ、支柱を与えて誘引しておくと上に向かって高くのびる強い枝ができる。これを何年か繰り返すと枝ぶりの良い大きな樹形を作る事ができる。枝垂れ性の木は日蔭の枝ができると枯れやすい。従って上の強い枝を横や上に引っ張ってやる事によって下枝を保存することの効果も多い。枝垂れ源平桃もあちこちに植えられているが前述の様に手入れをすれば長く美しい樹形を楽しむことができる。
なお、枝垂栗の実をまくと枝垂れの株がたくさんできる。枝垂れない苗へは枝垂れ性のものを接げばよい。何町歩かの枝垂栗林を計画してください。
最近キウイフルーツがすすめられている。私の所のは日本一の雌の古木である。春の晩霜と秋の霜の害を受け、剪定と収穫・貯蔵と追熟は大変にやっかいな果樹である。又、実るという事と産業とは大きな差がある。
   (辰野朝日新聞・昭和57年3月13日掲載)

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