庭木の整枝[5]──キウイフルーツ

キウイはシラクチやマタタビの仲間で香港以南や海南島の森林植物で、英国人によってニュージーランドに運ばれ、大型の果樹に作りなおされ、現在は世界各国のミカンやブドウの産地にたくさん植えつけられてしまった。日本でも既に多量に植えられ、暖地では早くも失敗多く、自家用以外は販売が困難である。県内は長野や飯田方面でもまだ春秋の温度不足で、当地では果樹として大規模に植え付けるのは危険である。自家用に植える時には蔓が4〜5メートルものびて先が他にからみつくので、他の木にからみつかぬ所に植えなければならない。購入した苗から結実するまでには3、4年かかる。3年苗といっても売れ残りを生かしておいただけの3年目の弱い苗をつかまされることが多いから要注意。
自家用に植える場合は根を切らぬような所へ植えること。近くを深く掘り断根すると、その先から不定芽がでて始末が悪い。あまり肥えている所は1本で20平方メートルくらいにはすぐなるから予定の大きさになったら施肥は少なくする。
植え穴は1平方メートル以上、深さは深いほどよい。やせ土なら堆肥などの基肥を十分にし、しっかりした支柱を立ててから植えつける。後で支柱や棚を作る計画にしても最初の支柱は頑丈にしておきたい。古い2吋角くらいのアングルを古石油缶に立て半分くらいモルタルをつめ、固化した後に、植え穴の所を深く掘って埋めこみ、その上に植えつけると永年の支柱となる。
   (辰野朝日新聞・昭和57年3月20日掲載)

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