早くまく野菜や草花──ジャガイモは一番早く

忙しい春が来た。雪が少なかったので耐冬蔬菜はひどくいたんだ。早い程よい種子まきなど、多年草は早く株分け植え付けが必要。
一番早くしたいのはジャガイモの植え付けで1週間おくれるごとに1割減収する。浅溝に種子イモをならべ、堆肥などをかけた後、できるだけたくさんの土で覆土し、畦の上にカリ肥料をまいておく。畦の間の通路の底より種子イモが上になるように。6〜7月にベト病にかからぬようにすれば今までよりおいしいイモがたくさんとれる。
エンドウ・トキナシダイコン・ハツカダイコン・ホウレンソウも至急まき、つづいてノザワナや白菜類のツマミナ・シュンギクをまく。ナガイモも早く植え付けるがよい。ニンジン・ゴボウはまだ。
花の方で早まきをしておきたいのはエゾギク・ヒマワリ・スイトピー・キンセンカ・ヤグルマソウ・ナデシコ類。暖地での秋まき草花の種子である。ヒナゲシも早く。ドライフラワーにするムギワラギク・スターチス・アクロクリニューム・ローダンセも早まきがよいが、センニチコウはまだ早い。エゾギクとヒマワリはおそく咲かせるには1回にまかず、エゾギクは6月中旬まで、ヒマワリは7月中旬までに数回に分けてまく。その他の前記の草花は遅くなるにつれて生長が悪く、枝もしげらず花も少ない。
春植えの球根類の中で早く植えてよいのはグラジオラスだけ。ダリアはまだ早い。
   (辰野朝日新聞・昭和57年3月27日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集