夏の鉢花──半日は日光に当てる

この数年、町内の園芸技術は急速に向上し、国体のころのあわれなフラワーボックスを思い起こすと今昔の感ありと言いたいところ。時間があれば皆さんの作品拝見に参上したい気分。
花屋さんも昔のような温室育ちと言われる軟弱なものは売れないから固く作るということもあろうが、まあ鉢物を暗い室内においては駄目ということがわかってきたのだろうか。ともかく花鉢は少なくとも半日は日に当てることである。直射日光に当てていけないのはセントポリアとグロキシニアくらいのもの。観葉植物にしても大部分が高温と強い光が好きで、それに必要な水分が伴えば夏は最高に生育し、その育ち方を楽しめるので、十分に日光浴をさせてもらいたい。ただ10日以上も暗い室内にあった鉢を急に直射日光にあてると日焼けを起こしやすい。長期室内に置いたものを戸外に出す時は雨の日に出して、数日は半日陰の所におくこと。花の終わった鉢のアジサイは強く切りつめ根も半分以上切って新土で改植しよう。
   (辰野朝日新聞・昭和57年7月24日掲載)

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