秋野菜の間引き──早め早めに
秋野菜は生えぬと困ると考えて厚播きしやすい。そして間引きの小苗を初秋の味覚としてたくさん欲しいという思いがさらに厚播きをすることになる。この厚播きと間引きの遅延が、大根漬菜の収穫時の不揃い不出来の大きな原因となる。遅く間引くと残した苗の根をいためたり、食べ切れぬ間引き苗は捨てるが、この苗の吸った肥料は無駄になるというより、本葉2〜3枚頃までに残す株の肥料と日照権を奪ってしまう大きなマイナスがある。 生えた双葉が触れあう様では大厚播である。本葉が3〜4枚になる頃までに収穫の本数や株張りを考慮して思い切って早期に間引きをする事が大切。ツマミナや青漬用のものは別にまく。ダイコンやハクサイは広幅播でなく、条播か株播きとする。漬菜も15センチの条播としておくと間引きがしやすい。早目早目に間引きをしてゆけば、ダイコン類は9月5日、漬菜は10日頃までに播けば大丈夫。アキツマリダイコンは10日にまいても大きくなる。 (辰野朝日新聞・昭和57年8月28日掲載)