種苗の購入法──誇大広告とキウイ

秋の種苗会社のカタログや美しい花や球根の絵袋や包装がいっぱいである。真っ黄色のシャクナゲがほのかな黄色が実物の色であったり、八重の美しいキンセンカやヤグルマソウが春になって咲くとほとんどが一重であるということは皆様経験済み。内容にいつわりありは種苗界でも同様。種苗の購入はくれぐれも銘柄商社のものを求めたい。
キウイフルーツもお前もかの例である。私の家の雌木は国内で最古木である。然し、辰野では春の晩霜、秋の初霜の害があり、特に収穫期は完熟直前で、霜害を受けぬ限り1日でも半日でも遅く収穫する。早採りは全く駄目。然も採ってすぐ食べられる果物ではない。20日以上低温で保存し、その後10日以上10度以上の温度で追熟を要する厄介な果物である。暖地での果樹であり、長野県等での経済植物ではない。雌雄の株を植えなければならないし、剪定は放任でもなるが難しい方。雌木が弱いということはない。苗が貧弱であったのだろう。
   (辰野朝日新聞・昭和57年9月4日掲載)

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