冬越し準備と果樹花木の手入れ──鉢物は植えかえない

急に秋めいてきた。月末から来月に入らねば色づかぬ柿が数日前から急に色づいてきた。強雨続きで漬菜の類は雨にたたかれ、土は固くなって生長が遅れているが早めに間引く。夏いらい日照不足、連日の降雨で山野ともに暖まっていないため、この秋はこれからよほど天気が良くても早く冷えこみ寒い冬を迎えることになるだろう。
観葉植物ほか高温を必要とする鉢物はもう植えかえないこと。もし大きくなってどうしても植え換えを要するものは鉢土をくずさぬ様に大鉢に移す。
グラジオラスは茎葉が黄味を帯びたら掘りあげ陰干しする。カンナやダリアは初霜にあったら掘り上げる。カンナの根茎は5度以下の温度と乾燥しすぎると駄目になる。秋植えの球根は早目に求める。遅いと皮のむけた球や小さい球しか入手できない。
庭木や果樹の強く伸びすぎた枝や刈り込みの伸びすぎた若枝は、来年咲くつぼみに日を当てるために大急ぎで切り除く。果樹や花木は今年の葉の茂っているうちに埋めなくてもよいから樹下に振りまいておくと明年大きな葉とよい花と実をつける。
   (辰野朝日新聞・昭和57年10月2日掲載)

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