最初にシュウカイドウと球根ベゴニアを交配したころに生えるはずの良い種子も生えずに年々無駄苦労をしたが昭和42年の実生苗から4倍体の大型大輪種ができ、その変異の自家授粉や球根ベゴニアとの交配から昭和50年ころから八重咲きへの手がかりとなる雌花の花弁が3〜5に、雄花の中に5〜7弁花ができるようになり、現在生産販売しているものを除いて、10系種を維持し、ともかくもシュウカイドウのより美しい品種育成へのワンステップにかかったところである。
シュウカイドウを上手に作るには掘りあげない場合は、周囲の落ち葉等で覆い、それが冬じゅうとばぬように庭木の小枝でも散布しておけばよい。掘りあげ乾燥した球根の場合は、冬の間は凍るか凍らぬかの境で貯蔵するのが大切。うっかり事務室の引き出しなどに入れておくと、3月初めを待たず発芽してくる。
発芽しかけたものを更におさえるために、低温(1〜2度)にしても以後の生育ははかどらない。3月に入ると貯蔵庫内が3度以上になると発芽してくる。それで春から初夏までに次々と植えて鉢仕立てができるが、発芽させぬような温度がちょっとめんどうである。
(辰野朝日新聞・昭和57年12月11日掲載)
写真撮影:青木繁伸氏(群馬県前橋市)
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