ヤグルマソウ──失われた矮性の八重種

今まではいろいろな植物や環境等に関連して書いてきたが、これからは春にまく花等からはじまって書いてゆこう。
ヤグルマソウ、学名をセントウレア・サイアネアといい、暖地では秋まきの草花である。普通は高さ60センチ余。春は3月末にまきたい。遅くまくほど枝は少ない。美しさの魅力はすがすがしい青色の3センチほどの花を白毛に覆われた細い茎葉の上につける。桃・白・エビ茶等の花色もあるが、青が本命。戦後福岡で八重で大輪のができて、切り花用に多く作られた。花壇や鉢植え用に草丈の低い品種が昔から東京の江戸川区の鉢物屋で作られて、東京の春をかざった。私はこの八重で各種の色の品種を作ったが、坂田種苗の白八重品種とともに採種が困難で、現在は世界中で矮(わい)性の八重種は失われてしまったようである。
春まきの場合、信州では初夏から夏まで、やせた所でも咲いてくれるかわいらしい花である。1〜3輪を小さな花器に生けたい。
   (辰野朝日新聞・昭和58年1月29日掲載)
  写真撮影:青木繁伸氏(群馬県前橋市)

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