ドライフラワー[2]──つぼみのうちに陰干し

ローダンセは普通桃色でまれに白色がある。露地花壇で朝露を含んだ姿は格別に美しい。アクロクリニュームは地際から線状の葉をつけた茎を次々とのばし、茎頂に菊状の花を一輪つける。花は上向きで2〜3センチの菊状、赤桃、白系の色である。この2種とヘリクリサムは満開になってからの花では美しいドライフラワーはできない。2〜3日後に開くと思う花でも乾燥中に咲きすぎとなるので、できるだけ若いつぼみの時、枝先10〜30センチを摘みとって陰干しにするが、必ず空気の流通の良い所に束ねてつるす。ヘリクリサムは夏までの花は良い色に仕上がらない。秋の花は光沢のある鮮やかな色にできるので、真夏までに30センチくらいの所で2〜3回芯(しん)摘みをして、枝の多い株に仕立てておく。
センニチコウには高性種と花壇用の小型種がある。花壇用種は枝も短いのでドライフラワーをたくさんとることはできない。花の色は濃紅紫・桃・白の3色で、茎頂に1〜3花の球状の花の下に対の葉がついている。葉まで美しいドライフラワーは以上の四種ではできないので面倒でも乾燥前に除いておく。その方が乾燥も早い。
   (辰野朝日新聞・昭和58年2月19日掲載)

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