マリーゴールド[2]──密植をしないこと

アフリカンマリーゴールド万寿菊はまず茎が高くのびて、頂花をつけ、茎の上端に分枝し、頂上に開花し、更に分枝して草丈が高くなり咲きあがって行く。株間が狭いと下の方には枝が出ない。普通のアフリカンマリーゴールドは発芽後3〜5センチになったときに少なくも株間を30センチ以上にする。
そうすると根元から分枝を多くして1株で沢山の花を見る事ができる。徒長して下に枝のないような株は倒れやすく、また大きな枝は風害等で欠け落ちやすい。枝の欠け落ちやすいのを防ぎ、また草丈を低く作るためには頂花の蕾が見える頃までは苗床で20センチ間隔で長く育苗しておき、50センチ以上にのびた大苗をできるだけ倒して定植する。
こうすると幹や枝の土に着いた部分から発根して元気になり風害を受ける事のない大輪花を楽しむことができる。大輪系の矮性種は非常に分枝しやすく、株の中が蒸れて腐るので、特に密植してはならない。
最近菜、大根、白菜の根に大小のこぶを作り生長不良をおこすネマトーダ除去は、一夏この大形のアフリカンマリーゴールドを畑に一杯につくり、秋末に茎葉及び根を畑全体にすきこむ。量が適性なら1年でネマトーダをやっつけることができる。
   (辰野朝日新聞・昭和58年3月12日掲載)

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