移植[2]──サツキは古い土を流して

樹木の植えかえは、鉢植えのものは周りや下の根は切り去ってできるだけ古い土を除いて新しい土で根の間にすき間のないように培養土をつめる。サツキ等のツツジやシャクナゲの植えかえには根は切れても古い土を水の中で洗い流して植えつける。露地の植えつけの場合は2、3年は根がのび得るように、広く深い植え穴を掘って根を広げて植えつける。大きな植え穴を掘ると土の容積が増えて土が余るような気がしたり、深植えになりやすい。植えつけ後は浅植えすぎると思うほど浅植えすること。そして必ず風で木がゆれぬようにしっかり支柱をしておく。
春先は種々の草木の苗を植えることが多い。生えたばかりの本葉の出ないうちに植えかえると非常によく根付き、また数葉の本葉がでてから移植したものより後の生育がよい。双葉移植は定植のほか、改植する時にもしておく方がよい。間引きをしてまた移植することが多いが、間引きの時間でこの双葉移植は十分できる。双葉移植の場合は細く深く長くのびた直根は切れるが、根端を細くとがったはしではさんで、土の中へ押しこむだけでよい。移植する所の土はあらかじめ十分に灌水しておく。盆栽用の樹の実生苗にも適した法である。
   (辰野日報・昭和58年5月7日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集