肥料の種類と効き方[4]──土の中の空気

土の中の空気というと何だ! と言われる人が多い。土がカチカチに固まっている所では表面から化学肥料のいくらよいのを施しても少しもきいてこない。土が微粒で、有機質を含んでいないと更に植物の育ちは良くない。大きくなってはいけない盆栽を作るにはやせた細かい土を使うが、早く太くなってもらいたい盆栽はやはり肥えた粗い土で植えて、根に空気や土壌微生物の繁殖するようにしてやらねばならない。大輪菊や大輪朝顔を作るには土の中に十分の空気があって、しかも速効性の肥料は少なくなった1年寝かせた培養土とか、肥料分の少ない腐葉土を多く入れ、わずかずつの追肥をして平均したそろった葉と花を作るのである。
土の中へ空気を入れてやる方法が耕すということである。極端な土の中へ空気を入れる方法として、果樹園等で行われるダイナマイトを深く埋めて爆発させることがある。庭や鉢物、果樹園内で全体を耕すことのできない時には所々に深い穴を掘って、その中に粗い堆肥や木の枝等を埋めてやるだけで、穴の周囲の固い土の中へ空気を送りこむことができる。庭のツツジの元気の悪い木のまわりにこの様な方法で空気を送りこむと勢いを盛りかえすことができる。
   (辰野日報・昭和58年8月27日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集