バーミキュライト──軽く、保水力高い/ピートモス──各種鉢物、世界的に

バーミキュライトは蛇紋岩を焼いて作ったもので褐色の5ミリ位の薄片が重なって層状となり吸水すると膨張し軟らかくなる。軽く、保水力が高い。挿し木に多く使い、培養土材料として多く配合して使われる。肥料気は全く無い。新しいのは無菌であるので発芽用の用土にも適する。1年以上経つと細粒化しベトついてきて空気を通さない。セントポーリアや観葉植物の用土に使われているが、毎年古いバーミキュライトは洗い落として新しいもので植えかえる必要がある。
ピートモスは褐色の繊維状で、シベリアやカナダの凍土地帯のミズゴケや禾科植物の半分泥炭化したもので多量に輸入される。細かい粉末状のものは良いものではない。幾分ゴソゴソした様なものが良い。すべての植物の培養土に混合してよい。シャクナゲ、ツツジ、ドウダン等に桐生砂や鹿沼土との配合土を使えば根の発育は非常に良い。培養土原料としては均質で多量に得られやすいので、各種の鉢物に世界的に多量に使われる。欧米の良い庭園ではピートと配合肥料の混合物を花壇樹木園のすべてに年々多量に深層施肥をする。現在の多量生産の花や葉の鉢物の培養土の主力として使われている。肥料気が多く、幾分酸性のある培養土材料として、畑土や田土等の自然土の入手出来ない都市内家庭園芸の用土として欠かせないものになっている。
   (辰野日報・昭和58年10月29日掲載)

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