堆肥──周囲の土と混ぜて

土についてはまだまだ何回も書いておきたいが、後は急行列車で。
化学的なものの代表はパーライトで、白い粒状で単独か、配合して使う。肥料気はなく水分や追肥の保ちがよく軽いのが特色。
南パルのバーク堆肥はすぐ効く肥料と考えてはいけない。長い間効果の続く土壌改良剤と有機質肥料としてたくさん使いたいものである。最近は塵埃・尿処理場や汚泥等を粒状にしたものが販売され始めたが、肥料効果は原料によって異なり、添付の成分法や使用法に従って使えばよい。
堆肥と腐葉土は原料と作り方で肥料分と効用には大差がある。両方とも腐りすぎて粉状になったものはそれぞれの特性と肥料分は失われてしまっていて価値は少なく、ただの有機質になり、良い土壌改良剤や肥料ではなくなってしまう。ことに堆肥を畑や庭に施す時に注意しなければならないのは、まとめて埋めるのではなく、天日にさらさず周囲の土と混ぜることが大切である。堆肥は本腐りなりきらぬうちが肥料と土壌改良の効果が最も高い。腐葉土は落葉を早く腐らせるために腐敗促進用に鶏糞糠等と混ぜるが、多すぎると出来上がった腐葉土は長持ちしない。
植物を作る土については一応これで終わる。
   (辰野日報・昭和58年11月5日掲載)

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