植木や苗の越冬──しっかり固定して

今年植えたばかりの庭木は冬の間に風でゆさぶられたり、凍みあがって枯れたり傷んだりしやすいものであるから、大小にかかわらずななめに2本か3本の支柱をしっかり深く立てて、風にもゆれぬ様に固定しておく事が必要である。殊に地表が露出している場合は真っ直に立てた支柱は地表が凍結して凍みあがる時に凍りついた苗と一緒に持ちあげられ、根は乾いたり凍ったりで枯死してしまう。特にボタンだとかキウイ等見事に浮きあがって枯れてしまったり大弱りになってしまう。地植えのシャクナゲやツツジも同様にやられる。
そのような成木や苗木は一度地表をふみつけた後でななめの支柱を2本以上立てた後に表土を浅く軟らかくし、地表の凍らぬ程度に落葉、モミガラ、ワラ等を10センチ以上、根から1メートル位の所を覆っておく。余り厚すぎるとキウイ等は地際の耐寒性が弱って、春先に見ると凍った後で腐敗して枯れている事が多い。この辺では雪が少くて、表土の凍結が多いために土が乾いたと同じ症状になる。冬の間に根がのびて翌春開花するチューリップやクロッカスは乾燥防止のためにワラやモミガラ等をうすく地表に広げるのは有効。イチゴの秋葉が凍って乾き枯れるのを防ぐには葉に日の当たる程度に3月初めまで長いワラをふりまくのがよい。
   (辰野日報・昭和58年12月?日掲載)

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