大木を大切に[2]──太い幹を作るには

樹木は栄養が良くて十分日が当たると非常に大きくなるが年月がかかる。特に針葉樹は林の中の1本を残しても更に大きくなるとは限らない。広葉樹でも太い直幹の大木を作る事は技術を要する。まして大自然の模写である庭園とか盆栽を天然の古木のように太い幹と繁った枝葉を作るのは大変な事である。狭い庭にたくさんの木を植えておくといくら手を入れても幹は太らず、がい骨に皮だけをきせたような庭になってしまう。さてどうする。
針葉樹は一般に太い幹や枝、既に小枝のなくなった所からはまあ新しい芽や枝は出てこない。五葉松や三葉松は3年くらい前の枝にも栄養よく日が当たれば芽を吹くが若木を除いて枝葉のなくなった所に新しい枝を作る事ができない。だが松を除いた針葉樹は若い木の時から枝数を減らして幹や太い枝に日が当たるように整枝し、のびた長い枝は絶えず短かく切りこんでいけば、ベルサイユ宮殿前のオウゴンヒバのような見事な大木を長年同じ形で維持することができる。針葉樹の種類によっての取り扱いは後まわし。
   (辰野日報・昭和59年2月4日掲載)

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