水草[2]──古流の華道にコウホネ

古来から水草として楽しまれてきたものにコウホネ(河骨)とかフトイや縦じまのショウブ、時にはガマがあるが、近来の庭ではほとんど栽培が見られない。コウホネは昔、諏訪湖の渋のエゴ地帯に大群落をつくっていたが、最近は見られない。古流の華道にコウホネを生けたが、これには少し小型のヒメコウホネを使う。最近あまり見られないが私の池には保存してある。
フトイの活草も清涼剤であるが、お花の師匠さんらはどこで手に入れているのだろう。ガマは穂を生で、または乾かして使う。ガマ、コガマ、ヒメガマの三種があり、穂の大きさが違う。生け花用には出穂したばかりのものを使う。出穂後、日のたったものを使うと、乾いて穂がくずれ、掃除機でも吸い取れぬほどガマの穂綿が散り苦労する。水草として池に水鉢にフイリガマが面白い。
これまで書いてきた水草のうち、ホテイアオイは凍らせてはだめだが、スイレンやハスは泥中にあれば上に氷がはっても大丈夫。大きな池に植えればよいが、この2つは30センチ以上の水を張れる容器があれば栽培できるので、来年は試みてはいかが。すぐ苗を用意しろと言われても困るが。
   (辰野日報・昭和59年8月?日掲載)
  写真撮影:青木繁伸氏(群馬県前橋市)

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