サギソウ──毎日水をかけて

当地でもサギソウを上手に作れる人が多くなった。普通春先に球根を買って植えつけるが、今年入手した人のために書いておく。
清らかなサギソウの花が終わると放置しがちであるが、葉の伸びる前に球根の大きさによって1〜5個ほどのランナーが延び、その先に花の終わるころから球根ができる。だから来年も楽しむためには、これからが勝負。あまり強い日にさらしておいてはだめ。鉢底を水に浸してあるから大丈夫と思っていてもだめだ。
水に浸さなくてもよいから毎日水をザブザブとかける。鉢の中の水が動いていることが大切。浸水してあると水の面より下には球根はできない。肥料は元来、ラン菌と共生しているのでそれほど必要ない。やるにしてもほんのわずかでいい。多いと高温期は特に根腐れで元も子もなくす。霜が来るころから乾かしてしまうのが安全。凍らない場所があれば湿ってもかまわない。凍らない場所といっても、温度が高過ぎると1月末から発芽発根してしまうことがある。
乾かして12月ころ培葉土から球根を出し、水洗いしてわずか湿り気のある程度に乾燥してからポリ袋などに入れ保存する。乾燥してあれば零下2度位になっても凍死することはない。3月末には植え付けたい。産地とか品種により草丈や開花期に差があり、斑入種もある。
   (辰野日報・昭和59年8月26日掲載)
  写真撮影:青木繁伸氏(群馬県前橋市)

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