冬の鉢花と越冬──室温、空中湿度に注意

いよいよ冬将軍がやってくる。窓辺や机上の多彩な草花が一段と生活を楽しくする。冬の花鉢は全部凍らせてはいけないものが多い。和ものの梅だとか福寿草も戸外から暖かい所に取り込んで空中湿度を高める。両方ともに鉢土が過湿の場合は根の活動が害され、花が進まないので水をやり過ぎぬように。
マンリョウやヤブコウジ、ピラカンサ等の実物の鉢も土の過湿を嫌う。
まだあまり出回らないがクリスマスローズだけは少々なら凍ってもよい。シクラメン、プリムラポリアンサ、ガーベラ等は中温植物であるが華やかに暮れを迎えるために高温で咲かせたものは夜の5〜10度の低温に順応させるには時間がかかる。花鉢を求める時は華やかに咲いていたものより、これから咲く蕾の多い葉の硬く厚めのものを選ぶ。
シクラメンは10日に1度ぐらいは葉をかきわけて枯葉や弱った葉を除く。株の一部の葉や花柄が腐ってくる病気の予防にもなる。この病気が出たらその基部を徹底的に除去する。球の上面の葉や蕾の基部に水がかかって湿ったまま夜を迎えぬ事も予防になる。
ポインセチアは常時高温を必要とする植物で10度はほしい。高温で育てたものは短時間の低温でもショック枯れや落葉落花をおこす。また、シンビジュームの鉢物も多くなった。暮れに咲いている鉢は秋早くから加温して咲かせたものであるから、やはり冷風や乾燥した空気は嫌う。
   (辰野日報・昭和59年12月21日掲載)

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