山草──花作りのストーブリーグ

ただ今は厳寒。外の仕事はできない。今年作ってみたいもの、今までのものをどう手入れするか等々。これまで通信販売で色々買っている人は春のカタログがおよそ届いている。園芸関係の雑誌を購読している方は、種苗商の広告が出ているからそれによってカタログを請求すればよい。
方々のカタログを年間見ていると山を探し回っても得られない山草などもほとんど、どこかの会社で売っているようになった。そしてこの辺にも各種のマニアがとんでもない珍品、貴品を集めているのに驚かされる。ある程度気に入った種類が集まると、全国の同好会などで交換したりして、珍品が集められる平和で良い時代になった。
知らないでいると大変な珍品に気付く。私の裏隣の下辰野前区長・赤羽貞雄氏の宅には長い教職の間に集められたか、秋末からベニマンサクが咲く。プロのはずなのに数年前まで知らないでいた。昔は戸外越冬を試みて失敗ばかりしていたシランが下辰野日出町に見事に咲く。
さて皆さんの所にどんな物があり、どんな事で苦労しているか辰野日報社に知らせていただきたい。昔一杯あったチゴンバナ(オキナグサ)など色々の山草も通信販売で入手できるし、採種して種子播きするとか株分けできるものが沢山ある。どうか山荒らしは止めていただきたい。寒い間に少し山草のことはいかが。
   (辰野日報・昭和60年2月8日掲載)

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