アジサイ[2]──花芽形成は10月

当地在来の空色のアジサイは西洋アジサイより耐寒性は強いが、両方共に冬に寒風の通り道にならぬよう、日当たりは中以上の所が良い。空気の乾燥も嫌うが、土の乾燥することは非常に弱い。半日以上は年間日の当たる所がよい。植え付けの時は春芽が伸びだす前か、花の終わったころが一番よい。根を乾かさぬように植え付け後たっぷり水かけしておく。本年度鉢植えを求めた方は花が変色し始めたら花を切り落としてから今年の茎の根元が3センチくらい埋まるように植え付ける。
鉢植えで本年咲いた株やいま挿した苗は発根次第鉢あげする。培養土は有機質の多い肥えた土がよい。赤玉土に腐葉土を多く混ぜるのもよい。アジサイの花は土が酸性であるかアルカリ性であるかで色が変わる。青色の花のものは酸性の強い土、桃色や白は有機質を多くした畑土がよく、赤土や鹿沼土は混ぜない方がよい。現在出ている新葉の腋芽(わきめ)に十分の日が当たり栄養がよいと、秋には丸々とした肥えた芽になって、中に来年のつぼみができる。挿し木したものは側芽が伸びてその先が花芽になるが、当地では花芽形成の完成するのは10月であるから、室内にとり入れてできるだけ葉を遅くまで生かしておくことが大切。
地植えの古株は花後余り古い枝は地際から切りとり、地際から出た新芽は太く元気のものだけ残して弱い新枝は切りとる。
   (辰野日報・昭和60年7月?日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集