せんてい[4]――構造改善注意深く |
太い枝や幹をストンと切り落すのは人間の手足を止血もせずに切り落すと同様で、木の生理を狂わせるのだから、前回の様な処置の方が良い事は小生もずっと経験済み。勿論大きい切り口には癒合剤や防腐剤をすぐに塗っておく。柿取りは枝が折れるから気をつけろと昔から言われ、いわゆる因業オヤジと言われている人が、よく木から落ちているが、木の幹や太い枝の芯に古い傷跡が残っていてその先に足をかけて、枝が折れるのであって、これは幹や太枝切りの時の不適当な管理と本人の不注意に基礎がある。孫子の代まで登っても折れぬような幹や枝の骨組を作るのがせんていの第一歩であり、これを整枝という。そうした安全な幹や太枝は植え付けた年からの管理が必要で、それが行われていない古木には数年以上かけて幹や太枝の構造改善を注意深くする事が大切。此の木をどうしてせんていするかと問われてすぐ返答するのは「カケダシ」の技術者学者である。 |