せんてい[7]――幹枝の整理を優先(3)

バラのせんていは枝の芯が軟らかく、乾いて枯れこむので、当地では急がぬ方がよい。まず古枝は下から切っておく。ツルバラは昨年シューっと長くのびた発育枝シュウトに最も良く咲くので、いくらのびていても先の方の若い茎の細くなった所だけせんていする。ツルバラは長いシュウトは2年咲かせて、花後低い所で切っておく方がよい。普通のバラも去年の中秋以後にのびた部分は、良い花が咲いてくれぬ。夏の終わりまでにのびた枝の下を3〜4芽残して上を切り、小枝特に古い小枝は全部切り去る。バラの若い所のせんていは一番上の芽から2〜3センチの所を切る。そうすると切り口からの枯れこみは少なくなり、上の新芽は横に開き、同じ様な元気の良い花が芽数だけ咲く。なおバラは咲き終わったらその枝の半分は切ってしまう方が次の枝が早くでる。
近年のバラは大変新しい形質が出来、大輪というより花型の整っている事とか、四季咲きの様に数回咲く品種が多い。つぼみを枝頂に一花だけ残すが、フロリバンダやツルバラの大部分は出来たつぼみを全部咲かせる。
ボケだとかユスラウメ(当地ではニワウメと誤解)の類は、一つの葉腋の所にゴチャゴチャと芽が多い所が花芽の集まり。そうした所のない枝先は切り、こみあった枝も間引く。
アジサイは枝の先に丸い太った芽があるし、茎先の太目の芽にも咲く可能性あり。細い枝や株際の若い枝は基部から切除する。
   (辰野日報・昭和61年4月6日掲載)

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